京都観光チャンネル                        観光コース
京の異界を巡る
小野 篁
 小野篁(延暦21年・802〜仁寿2年・853)は、平安時代に朝廷に仕えた学者、歌人として知られているが、昼は朝廷 に仕え夜は閻魔大王に仕えたといわれるなど異界と通じていたといわれる逸話を多く残している人物。京には彼の足 跡を残す名所は多い。
  六道珍皇寺
 地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六つの冥界、六道は平安時代からここ六道の辻(鳥辺野)は、あの世とこの世を結ぶ入口と信じられていた。
 小野篁はここで夜ごと井戸を通って地獄に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという。境内の閻魔堂には閻魔大王と小野篁像がある。
 六道珍皇寺では盂蘭盆会の日に「迎え鐘」を撞き先祖の精霊を冥界から呼び戻すという六道参りの寺として賑わっている。

■東山区松原通東大路西入
■京阪電車東山五条駅下車徒歩約20分 市バス清水道徒歩約5分
■拝観時間:10時〜16時  
■駐車場:有/無料
■拝観料:大人400円 (本尊拝観の場合)



迎鐘



六道珍皇寺



本堂



小野篁像



閻魔大王像
  矢田寺
 繁華街寺町通にある小さな寺。開山した満慶上人が小野篁の導きにより冥土に行き、そこで出会った地蔵の姿を彫った代受苦地蔵(だいじゅく)が本尊。お盆には精霊を送る「送り鐘」が撞かれる。狭い境内ではあるが、異様な雰囲気が感じられる。

■中京区寺町三条上ル
■地下鉄東西線京都市役所前駅下車徒歩約5分
 市バス河原町三条下車すぐ
■拝観時間:8時〜19時    
■駐車場:無
■拝観料:自由参拝



送り鐘



送り火の日に参る習慣がある
  千本閻魔堂(引接寺)
 小野篁が開基した真言宗の寺、その名のとおり高さ3メートルもの巨大な閻魔大王が本尊。京都の三大念仏狂言の一つえんま堂大念仏狂言(5/1〜4)は有名。精霊迎えの鐘(8/7〜15)はかつて葬送の地である蓮台野に死者を葬る時に撞いたという故事にちなんでいる。

■上京区千本通廬山寺上ル
■市バス乾隆校前/千本鞍馬口下車徒歩約3分
■拝観時間:9時〜17時
■境内自由 (本殿昇殿は志納) 駐車場:有

    
               迎え鐘



本堂


閻魔大王像
  小野篁の墓所
 小野篁の墓所は堀川北大路の近くにある。車の喧騒もない奥まった墓所には、源氏物語の作者紫式部の墓もある。篁の時代から1200年、京の人たちは盆になると精霊が戻ってくると信じ、昔ながらの精霊迎えの儀式を行い、畏敬の念を込めてひたすら冥福を祈る。

■上京区堀川通北大路下る
■市バス 堀川北大路下車 南徒歩約2分
 安倍晴明
  帝に仕えた陰陽師。星を見て吉凶を占い、時の権力者藤原道長のブレーンとして活躍した映画でも有名になった
  平安時代のミステリアスな人物。京都にあるゆかりの史蹟を紹介。
  晴明神社
 安倍晴明を祀るために寛弘4年(1007)に創建された神社。五芒星(木・火・土・金・水の五つの気をかたどったもの)呼ばれる、陰陽道に用いられる呪符があちこちに刻まれている。また、境内にある「晴明井」は晴明の念持力で湧き出たといい、飲むと悪病奇病が治ると伝えられている。

■拝観時間:午前9時〜午後6時
■拝観料:無料
■駐車場:有
■上京区堀川通一条上ル
■市バス 一条戻橋下車 徒歩約1分
 堀川今出川下車 徒歩約3分


五芒星(桔梗印)
陰陽道では魔除けの呪符として伝えられている。



晴明公が念力によって水が湧き出たという晴明井、
その歳の恵方から水が出るように立春に向きを変える。
  一条戻り橋
 平安時代の漢学者三善清行の葬列がこの橋を通ったとき清行が蘇ったというのが命名の由来、京都ではその名から花嫁に行くときはこの橋を渡らないという風習が今も残る。また、「今昔物語」には、この橋の下に安倍晴明が、石びつに入れて式神(陰陽師が操る精霊)をしまっていたとあり、父親を蘇生させたとか、渡辺綱が鬼女の腕を切り落としたなどの逸話も有名で現世と冥界をつなぐ橋と考えられていました。

■上京区堀川通一条上ル
■市バス 一条戻橋下車 徒歩約1分
 安倍晴明墓所
 右京区嵯峨天龍寺角倉町にある晴明の墓所は、長慶天皇陵の南にあります。晴明は従四位下まで昇進し、寛弘二年(1005)九月に八十五歳で亡くなったと伝えられます。当時としては大変長命で、晩年まで吉兆を予言、災異を除去する霊力は衰えず歴代天皇や藤原氏にとって必要不可欠な人材であったと考えられます。 この墓所は、室町時代には存在していたようです。墓所の東には角倉稲荷神社があります。

■右京区嵯峨天龍寺角倉町
■嵐電「嵐電嵯峨」下車徒歩約5分
戻る